金属の腐食の症状のひとつ「錆」は特に金属加工現場では鉄素材のワーク加工時、注意が必要な症状です。
錆の直接要因は水と酸素になるため、特に梅雨時期などは湿度が高くなり、 ワークの取り扱いには気を遣うことと思われます。
しかし、梅雨のような気候などの環境変化とは関係なく、以前発生していなかった錆が、
時間の経過とともに発生するようになった、というお話は加工現場で聞くことがあります。
その場合、環境変化ではなく、クーラント液やクーラントタンクの状態変化が影響している可能性があり、
クーラント環境が正常かどうか、確認することが必要です。
アルミやステンレスを加工した際、通常、錆びる材質ではないが、錆が発生するようになってしまいました。
錆の発生する材質を加工した際に発生した微細スラッジが掛かることによって、 もらい錆・アルミ錆が起こる可能性があります。
そもそも、水溶性クーラントは水で希釈する訳ですから、不水溶性(油性)クーラントに対して錆びやすいクーラント液となります。そこでクーラントメーカーは水溶性クーラントを使用しても、加工ワークが錆びにくくなるよう、潤滑性や冷却性だけではく、防錆性能のある有効成分を加えるなどして工夫をしています。
しかし、適正なクーラント管理ができておらず、時間とともにクーラント液の劣化、腐食が進んでしまうと、同時に増えたバクテリアに有効成分が食べられるなどして、防錆性能も落ちてしまう可能性があります。また、クーラント液の劣化が進むと、pHも通常はアルカリ性のものが、酸性に傾き、金属を錆びやすくさせてしまいます。
他にも、1台の機械で様々な材質を加工されている場合など注意が 必要です。
例えば、錆びやすい鉄を加工し、その鉄の微細な加工くず(スラッジ)がクーラントタンクに滞留し続けるということがあります。その後、滞留したスラッジがクーラント液に混ざり循環し、別の加工で、そのワークに影響を与えてしまうことがあるのです。
材質そのものは錆びにくい、ステンレスやアルミのワークだとしても、循環していた鉄製のスラッジがワークに付着し、結果として、もらい錆のような症状を引き起こしてしまうのです。
上記のようなことからサビが発生する要因としては、クーラント液の劣化にしても、もらい錆にしても、クーラント(クーラントタンク)への異物混入が大きな要因になるといえます。 もらい錆・アルミ錆が起こる可能性があります。
そのため、クーラントポンプに吸われる可能性がある微細スラッジや、浮上油に付着して浮遊している浮遊スラッジなどが見られる場合、速やかに回収することが錆には効果的と言えるでしょう。
これまでに述べたような症状がある現場の場合、日々のクーラント管理、または速やかな浮上油やスラッジ等の異物回収処置を検討されてはいかがでしょうか。
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