クーラントタンクの大掃除、作業者が自らタンクの清掃やクーラントの更液をされている現場では、作業者にとって非常に負荷の高い作業といえます。
この大掛かりな清掃の概要は、例えば年2回、夏休みと年末の連休に機械を止め、タンクを引き出し、
バキュームで液を抜き、溜まったスラッジを掻き出し、洗浄・フラッシング、最後にクーラント液を 張るという工程が必要になります。
工場や生産ライン、工作機械によって、更液の回数やその方法は様々かもしれませんが、おおよそ
このような流れかと思います。大掛かりではありますが、汚れてしまったクーラント環境を一度に
正常な状態を取り戻すためには必要な作業となります。
クーラントタンクを清掃するには、機械を止めてクーラント液をすべて抜き、 沈殿スラッジや壁に付着したスラッジ、ヘドロを回収してからクーラント新液を入れます。
かなり負荷の高い作業で、機械を止めバキューム車を呼ぶため連休で一気に作業をする場合が多くあります。
日常的に清掃して頂く必要があるのですが、稼働と生産に追われて時間が取れずに 後回しになってしまうといったことがあるのではないでしょうか。
この清掃・更液作業は作業者への負担が大きくなりがちです。それだけにとどまらず、 機械を止めて清掃となれば、生産効率の低下、そこに関わる人件費の発生、抜いた廃液の 産廃処理費等、その他にもマイナス要素が発生することも事実です。
そして、本来、加工現場においては、加工以外の作業はできるだけ減らし、加工や より付加価値の高いことに作業者の時間を有効活用することは、企業にとって、 大切なことは言うまでもありません。また、外部に委託しているのであれば、その費用も馬鹿にはできません。
クーラントの清掃を年数回の大掃除や汚れがひどくなってから行うのではなく、 その方法を一度見直してみてはどうでしょうか。
年数回の大掃除となれば、当然、クーラント液の状態にはバラツキが発生しています。交液してすぐの状態は良いですが、日々使い続けて次の交液前の状態の時はすでにクーラント液の劣化が促進されている状態のはずです。
では日々の中で、クーラント環境を管理することが可能であればどうでしょうか。
一回の清掃負荷は低くなるだけでなく、それにより、クーラント環境はより正常な状態でバラツキなく日々保たれるようなります。そうなれば、良循環が生まれ、 更液の回数を減らすことができるようになり、更に加工の品質改善や悪臭などの環境改善に繋がることも期待できます。
日々の清掃で加工環境は大幅に改善されます。日々回収することで浮上油やスラッジは固形化せず、回収しやすい 状況が保てるためさらに回収効率が上がります。綺麗なタンクは清掃しやすいので、清掃の好循環することになります。
クーラント液の劣化の原因となる浮上油やスラッジ等の異物混入への対策は必要です。 物理的に混入を防ぐことが困難であれば、やはり効果的な回収装置を適宜使用して、 日々の中でできるだけ速やかに回収できる仕組みが必要になるでしょう。
汚れたものをキレイにするのではなく、キレイな状態をできるだけ維持すること。 まとめての大清掃ではなく、日々の管理の中で負荷を増やさずにクーラント液を管理すること。そのような考え方で効果的な回収装置などをうまく使った、クーラント環境の管理運用をおすすめします。
そうすることにより、結果、加工環境や品質も安定し、結果生産効率も上がります。 また清掃工数も大きく減少し、必然的に良い循環へと変化していくはずです。
しかしながら、一度腐敗したクーラント液を清浄に戻すことはできません。
また、エマルション化が進みすぎている場合には油水分離できない可能性があります。そのような状態は、クーラント液自体が劣化しすぎている場合ですので新液へ交換したタイミングで装置の稼働もスタートする事をお勧めいたします。
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