加工現場で起きる生産性の問題に工作機械の「チョコ停」があります。 そのチョコ停が発生する原因の中にはクーラント液に関わる「フィルターの目詰まり」があります。 例えば、クーラントタンクに設置してあるポンプやドラムフィルター、 クーラント配管途中に取り付けられているラインフィルターなどの目詰まりです。
ポンプもサクションフィルターを付けており、故障の原因となるスラッジがポンプに吸われないようになって いますが、サクションフィルターの目詰まりによって、機械のチョコ停が発生しています。
浮上油と微細スラッジが混じることにより粘着性を増したヘドロとなり、目詰まりを発生させていました。フィルターが目詰まりをしてしまうと、クーラント液の滞留や流量減少に繋がり、 加工のトラブルやタンクオーバーフローなどの設備トラブルを発生させてしまいます。
そのようなトラブルが発生してしまったら、機械を止めて対処が必要になり、 各所センサーがあれば、流量や液面の異常を検知して機械を停止させることになるでしょう。
そのように止まってしまった機械を再稼働させ、生産を回復するためには、その原因であるフィルターの目詰まりを 解決する必要があります。そのためには、フィルターの清掃や交換によって対処するしかありません。
対処は数分~数十分ですむものもあれば、1日がかりで対応をしなければならないものもあります。 いずれにせよチョコ停が発生することにより、生産がストップし、本来予定した工程が大きく崩れ、 必要のない対応に現場が追われてしまうことを意味します。
改善方法としては、フィルターの目のサイズや種類の変更、さらなるフィルター追加による能力アップなど、フィルターそのものの改善がありますが、一つ視点を変えてみてフィルターそのものへの負荷を減らす、即ち、クーラントタンク内に注目してみてはどうでしょう。
なぜならば、クーラントタンク内に混入した浮上油やスラッジ等の異物の量や状態がフィルターの目詰まりに影響を与えることがあるためです。
クーラントタンク内にスラッジが大量に滞留していれば、それだけフィルターに流れていく可能性が高くなります。
また、浮上油が常時滞留していれば、スラッジに油分が付着し粘性を帯び、やはり目詰まりしやすくなる可能性が高まります。そのため、クーラントタンク内へのスラッジや浮上油といった異物の混入が著しく見られるのであれば、やはり、速やかにスラッジや浮上油を回収できる仕組み作りをおすすめします。
例えれば、クーラントの流れは人間でいう血液です。フィルターの目詰まりは血栓で、それを放置すると心筋梗塞等の病気(ポンプやフィルターの目詰まりによる機械の停止)が発生してしまいます。人間の身体と同じであれば、キレイな血液(クーラント液)を維持することができれば健康な身体(エラーが起こりにくい工作機の環境)を手に入れることができるのです。
クーラントタンク内に混入した異物の効果的な除去は、正常なクーラント液の状態を維持するためにも大切なことになります。同時にフィルターへの負荷低減、チョコ停低減に繋がります。今後は生産性向上という視点からもクーラント管理を考えてみてはいかがでしょうか。
しかしながら、一度腐敗したクーラント液を清浄に戻すことはできません。
また、エマルション化が進みすぎている場合には油水分離できない可能性があります。そのような状態は、クーラント液自体が劣化しすぎている場合ですので新液へ交換したタイミングで装置の稼働もスタートする事をお勧めいたします。
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